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お知らせ

INFORMATION

2026年6月1日、埼玉県川口市で痛ましく、そして非常に衝撃的な事件が起きました。
介護支援のために自宅を訪れたケアマネジャーの女性(63)が、利用者の息子である無職の男(60)に首を刺されて殺害されるという、あってはならない事件です。

このニュースを耳にして、激しい怒りと、言いようのない深い悲しみ、そして強い危機感を覚えずにはいられません。亡くなられたケアマネジャーの方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

しかし、これは「一人の狂気による特異な事件」として片付けていい問題なのでしょうか。
私は、この事件の背景には、現在の日本の介護保険制度が抱える致命的な歪みと、ケアマネジャーという職業が置かれている限界に近い過酷な現状があると感じてなりません。

今のままでは、ケアマネジャーは本当に「絶滅危惧種」になってしまいます。

「大変すぎる」ケアマネジャーの現状
ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事は、本来、利用者が最適な介護サービスを受けられるようにケアプランを作成し、調整することです。

しかし現実の現場はどうでしょうか。
本来の専門業務ではないはずの「よろず相談屋」にされ、家族間のトラブルの板挟みになり、ときには今回のように社会から孤立し追い詰められた家族の感情の矛先に向き合わされる。

「何か困ったことがあれば、まずはケアマネに」

この言葉は一見美しく聞こえますが、実態はあらゆる負担やリスクをケアマネジャー一人に押し付けているだけに過ぎません。孤独な介護現場に、丸腰のまま一人で飛び込んでいかなければならない恐怖と隣り合わせの仕事に、今やなってしまっているのです。

本来やらなくていい仕事が多すぎる

さらに、現場を疲弊させているのは、毎日のように追われる膨大な書類仕事や、制度の度重なる改定に伴う煩雑な手続きです。
行政や多方面への調整、重箱の隅をつつくような書類の山。本来、利用者やその家族に向き合うべき貴重な時間が、こうした「やらなくていいはずの雑務」や「複雑すぎる事務処理」に奪われています。

業務は増え続け、責任ばかりが重くなる。それに対して、決して見合っているとは言えない待遇。これでは、現場のケアマネジャーが心身ともに燃え尽きてしまうのは当然です。

私の利用者さんにも、土日や深夜に電話を何度もかけてくる利用者さんがいます。もちろん、勤務時間外ですが、対応はしています。しかし、電話に出れないこともありますし、折り返してもつながらず、その結果クレームになったといったケースさえあります。

重要かつ緊急な案件なら仕方がありませんが、その多くは質問だったり、話を聞いて欲しいと言った内容です。

家族が高齢だから、遠方だからと、正月に呼び出され一緒に救急車で病院に行ったことさえあります。もちろん、すべて無給のボランティアです。

このままでは介護制度が崩壊する

今回の事件は、ケアマネジャーという仕事がどれほどのリスクを背負わされているかを世に突きつけました。
ただでさえ激務と書類漬けの毎日に耐えている現場に、さらに「命の危険」まで加わるとなれば、一体誰がこの仕事を続けたいと思うでしょうか。

現在、ケアマネジャーの平均年齢は年々上昇しており、若手のなり手は激減しています。まさに「絶滅危惧種」と言っても過言ではない状況です。

ケアマネジャーがいなくなれば、介護保険制度そのものが機能しなくなります。困窮する高齢者やその家族を、一体誰が社会につなぎ、支えるというのでしょうか。

今こそ、声を大にして訴え続ける

私たちは、この衝撃的な事件を「単なる痛ましいニュース」で終わらせてはなりません。 ケアマネジャーの業務の明確な切り分け、事務負担の大幅な軽減、そして何よりも、現場で働く人々の安全と尊厳が守られる仕組みづくりが、今すぐ必要です。

これ以上、現場の善意と犠牲に甘え続けるような制度であってはなりません。今こそ、国や社会全体がこの危機を直視し、抜本的な改革に動くべき時です。

私もずっとケアマネならびに介護職の地位向上と処遇改善を訴えてきましたが、今まで以上に声をあげて、制度改善に向け訴えていかないといけないと、今回の事件を通じて強く、強く決意しています。

現場で命を懸けて戦っている仲間たちを守るために、そして日本の介護の未来を閉ざさないために、私はこれからも発信を続けていきます。